この動画は 音楽工房グランソノリテ 田口秀一氏が YouTube(shu19grandsonorite) にアップされた動画です。
再投稿されたため順番がばらばらになり、ちょっと分かりづらかったのでここに整理しました。 説明文章もほぼそのまま引用しています。
近代ギターの父「F.タレガ」によってもたらされた近代奏法の一つであるアポヤンド奏法を、アルペジオやトレモロといったギター ならではの奏法へ多彩に取り入れてきた巨匠たち(リョベート、プジョール、セゴビア、デラマーサ、アニード、プレスティ&ラゴヤ 、J.ブリーム、J.ウイリアムズ、カルレバーロ、A.ポンセ)は、弦に対して直角に指を置き左傾斜で構えるフォームで演奏 しています。 このように伝統的な近代奏法は大変合理的な奏法なのです。 どのようなシチュエーションでも使い分けが出来ることは、例えば複雑な声部の弾き分けにも重要なものになります。 心意気だけでは限界があります。基本的なテクニカルなものを早く身につけることが大切です。 また、この左方向きのフォームは、親指側面での消音をする時に楽に行えるようになります。 その結果、ギターの共鳴音による濁りが解消されて澄んだ美しいギター本来の響きを獲得していけるでしょう。 こうした基本的な奏法がなぜか一般に普及していない現状から今回「近代ギター基礎講座」を開講しました。 これからも継続していきますので、興味のある方は是非一度ご参加見学していただけたらと思います。 音楽工房グランソノリテ 田口秀一
腕の動きと一体に指を動かします。 親指も弦に対して平行に置きます。 手の甲が上下にぶれないように練習を重ねます。 ヴァイオリンの弓のボーイングのように腕を動かしアポヤンドをします。 高音弦1弦から5弦までもたれかかります。 次に6弦から親指でアポヤンドし2弦まで下降します。 この動作の往復練習が大変重要です。 指をできるだけ動かさないこと。 水泳の練習と同じことですが、手足を動かす前にまず水の中で浮けるようになることが第一歩です。
No.1でのアングルを変えて撮ったものです。 最初は人さし指(i)で1弦〜5弦まで、次に親指(p)で6弦〜2弦まで下ります。 次に中指(m)に入れ替えて同様に往復します。 最後は薬指(a)で入れ替えて往復を行います。 次のステップは、1弦と3弦、1弦と4弦、1弦と5弦、1弦と6弦を交互に弾きます。 最後は同時に弾きます。 腕の脱力と手の甲の安定(こと波打たない)、また指は動かさないこと。
1.曲中に頻繁に活用する高音部をアポヤンドと低音をアルアイレする動作です。 2.低音部をアポヤンドして高音をアルアイレする動作を練習します。 これはトレモロ奏法において低音をアポヤンドする時に大変有益な練習です。 また、アルペジオなどでもアポヤ ンドで消音したり、音を強調させたい時やピアニシモ時に音が強く出過ぎない「スーっ」と落とすだけの親指(p)のアポヤンドの練習にもなります。 腕の重みを加えて行いますので、指の弾く力は通常の弾く力の半分で済みます。 大きな音量を求める時は手首の振り、掌の握る力と指の力を混合させます。
最後は一番難しい低音と高音の同時アポヤンドを行います。 最初は6弦と1弦から始めましょう。 その後は、様々な組み合わせで行ってください。 この時は腕を振りませんので、手の握りだけで行います。 楽に行える角度とポジションを見つけられると、セゴビアやブリーム、ウイリアムズといった巨匠たちの右手フォームに近づいてきます。 同時アポヤンドする指が「スーっ」と楽に落とせるようになってきます。 この感覚が身に付くと音階やアルペジオ、トレモロ等が全て同じフォームで行えるようになります。 しかも徐々に雑音も消え、きれいな音を得ることが出来るでしょう。 この右手フォームは腕の重みが一番指先に集まり易く、結果「指に大きな負担がかからない=無駄な力が入らない」理想的な奏法です。 高齢まで現役で素晴らしい音を持った巨匠たちに近づける唯一の方法とも言えるでしょう。 弦を下からしゃくり上げたり、斜めから擦る、引っ張る、爪を長くし過ぎる等の現在の弾き方は腱鞘炎を引き起こしやすくなります。 また、年を重ねるごとに思ったような演奏ができなっていきます。
No.5の角度を変えたものです。 対角線に交差するように掌の中心でスポイトのように握ります。 これらの動作が自然に出来るようになるには数ヶ月はかかりますが、時が経つにつれて脱力出来るようになります。 指の力が衰える始める50代〜60代や、もともと指の力が弱い方にとって効果的な弾き方です。